Columnコラム詳細

  • 10月4日は投資の日 日経平均27年ぶりの高値に思う事

    2018.10.04



日経平均株価は、24,000円台となり堅調に推移しています。
1991年11月以来の27年ぶりの水準との事ですが、状況は全く異なります。当時は、1989年12月の高値39,000円から1991年8月には21,000円台にまで急落、11月に24,000円台まで戻したと言っても一時的な反発にすぎず、その後は再び下落に転じ1992年8月の15,000円割れまでつるべ落としとなりました。
しかし、現在はリーマンショック後の安値(2009年3月の7,400円)から上昇基調にあります。今後の更なる上昇を期待したいですね。

こうした市場の状況に反し、資産運用は盛り上がりの様相をさほど見せていないように感じます。理由の一つとして考えられるのは、「本当に今から運用を始めても大丈夫なのか?」、「何を買えば良いのか?」といった投資家の疑問にきちんと向き合えないからではないでしょうか?
将来の市場動向は、確かに「神のみぞ知る」という事です。しかし、「資産運用に関するアドバイスのプロ」として、今この瞬間にお話し出来ることは沢山あるはずです。

(閑話休題)
1990年にシカゴを訪れた際、ひと際高いビルディングに目を奪われました。1973年に建設されたビルで「シアーズタワー」という名前でした。「あのシアーズか」と感動した事を良くおぼえています。シアーズ社は当時、全米第一位のデパートメントストアで、ダウ30にも採用されていました。1980年代に金融業に進出し、クレジットカード事業(ディスカバーカード)への参入や、証券会社(ディーンウィッター証券;その後はモルガンスタンレー証券と合併)の買収など異彩を放っていました。
「あのシアーズか」と感動した理由は、全米3000店舗で投資信託の販売を行っていたからです。当時はインターネットの勃興期で、シュワブ証券が投資信託のネット販売を始めた頃です。一方、対面での投資信託販売においては、シアーズ社のように金融以外の業種からの参入も盛んでした。「えっ、デパートで投信を買えるの」と驚いたものです。

さて、本題に戻ります。
日本での投資信託の販売も、1990年代後半から米国同様にインターネット経由が始まりました。また、銀行や郵便局など販売チャネルも拡大してきました。あれから20年が経ちますが、しかし米国のように資産運用が身近なものになっているとは言えない状況です。
その理由は、「資産運用に関するアドバイスのプロ」が育っていないからだと思います。単にチャネルを増やすのではなく、アドバイスを担う人材を育成しなければ、と感じる今日この頃です。
シアーズ社はその後業績が悪化、金融ビジネスからも撤退、最後には2005年にKmartに買収されてしまいました・・・。

10月4日は投資の日ですね。明るい未来のために、投資信託および保険を含めた総合的な資産運用に関する「アドバイスのプロ」の役割を担っていければと思っております。