「民間の医療保険は入った方がいいんでしょうか?」と、保険加入を検討されているクライアントから質問を受けることがあります。
皆さんはどう思いますか?
日本では「国民皆保険」というすばらしい社会保険制度があります。
「日本は公的医療保険制度がしっかりしているから貯蓄をしていればいいでしょ」と思われている方も多いのではないでしょうか?
確かに、高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)という、公的医療保険における制度の一つで、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、暦月(月の初めから終わりまで)で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給してくれる制度がありますので、年齢や所得に応じて、ご本人が支払う医療費の上限が定められてはいますが、それ以上かかっても支払わなくてすむし、またいくつかの条件を満たすことにより、さらに負担を軽減する仕組みも設けられていたりします。
問題は、「この制度が継続されるか?」です。
今度の制度がどうなるかを知ること、推測することで将来に向けて、今どういった対策をとったらよいのかが見えてきます。
昨今、当たり前のように耳にする「少子高齢化」
現在8人にひとりが75歳以上となり、2025年には団塊の世代である約700万人のベビーブーマーが全員、後期高齢者である75歳になり高齢化がピークに突入していきます。
厚生労働省が発表している平成27年度の国民医療費は41.5兆円で、平成26年度と比較して1.5兆円増加しました。
国の2016年度税収が約57兆円ですから、皆さんや企業から徴収した税収のほとんどが医療費に使われていることがわかります。
このまま何も対策をとらずにいくと、2025年には国民医療費は54兆円に膨らむ予測となっています。
2025年には約700万人の団塊の世代が全員75歳になりますので、このままいけば制度が成り立たないというのが推測されます。
つまり、当然メスが入ってきます。
すでに大企業に勤める会社員の介護保険料負担額を段階的に増やす検討もされています。
また、「先進医療」という厚生労働大臣によって定められた高度な医療技術を用いた療養で、健康保険給付の対象外となり全額自己負担になる治療法がありますが、命に関わる病気や治療が難しい病気になったら、効果の高い最先端の治療を受けたいと思うものです。
そうなった時に、民間の保険がカバーしてくれれば安心です。
貯蓄が有り余るほどある人は、民間の医療保険などは必要ないかと思いますが、
そうでなければ民間の医療保険に加入することで、治療の選択肢の幅が広がるということはあると思います。
健康なうちに将来を見越してどんな内容の保険で準備しておきたいかを一度しっかり考えてみるとよいと思います。
すでに何か医療保険に加入している人は、今の保険で良いのかどうか見直しをしてみてもよいかもしれませんね。