住宅ローンは早く返済してしまいたい。借入があると心理的に、無駄な利息を支払いたくない、払える内に返したい、という気持ちになる方も少なくなくありません。その時に利用するのが、手元の資金を活用して借入金額の元金部分を前倒しで返済する「一部繰上げ返済・一括返済」です。前倒しで返済をすると、その元金に対する利息の支払いが無くなりますので、早期に返済することが効果的だと一般的には言われています。
ただ、返済をする前に!!確かに、ローンだけで見ると繰上げ返済は有効ではありますが、そのタイミングによっては逆に「損」をしてしまうこともあるのです。
まずは、返済にはどんな方法があって、どんなメリット・デメリットがあるのか整理してみましょう。
■繰上げ返済の種類とメリット
①「期間短縮型」返済期間:短くなる。返済額:変わらない。
メリット:効果的に総返済額が減る。早期に完済できる。借入後、早期の繰上返済により経済効果が高い。
②「返済額軽減型」返済期間:変わらない。返済額:減る。
メリット:将来の大きな支出または、収入減に備えて月々の返済額を減らすことができる。現在の返済額が負担に感じている方に有効。
■デメリット
①資金繰り:
手元の資金(現金)が減り、ライフイベントや臨時支出の資金繰りが難しくなることがあります。返済をすることで、生活費に負担がかかってしまうことがあります。手元資金に余裕をもつことが大切です。
②手数料:
ローンの種類、金融機関によって変わりますが、手数料が数万円掛かることもあります。事前に確認をしましょう。また、一括返済の場合には抵当権の抹消費用についても準備が必要です。
③住宅ローン控除:
借入期間がトータルで10年以下となると減税が受けられません。住宅ローン減税1%より低い金利で借入している場合は、低金利や減税の恩恵を最大限に受けられないことがあります。
※住宅ローン特別控除=住宅ローンの年末残高×1%
住宅ローン年末残高が3,000万円の場合、30万円の控除を受けることができます。
④団体信用生命保険:
万が一の時は保険適用となり借入残高が相殺されますが、一括返済をすると保険は終了になります。手元資金を返済に充てることで、ご遺族の方の生活資金が減ることになります。
まとめ・・・
「借入=損」では決してありません。
繰上げ返済をする際は、目先の損得ではなく、なぜ繰上げ返済をするのか、家族のライフイベントを整理し計画的に返済することをお勧めします。
また考え方によっては、手元資金を借入金利以上の利回りで長期運用することで、低金利での借入のメリットを更に活用することが可能となります。
弊社では、キャッシュフローを作成することで繰上げ返済の経済効果の提示はもとより、お客様のライフイベントやお考え方に沿った提案しています。
大切なご資金です。ご返済計画は効率的に。マネぷらのFPにご相談ください。