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  • 金融庁公表の「顧客本位の業務運営の取り組み状況」から

    2019.01.31



1月29日に「投資信託の販売会社における顧客本位の業務運営の取り組み状況」が金融庁により公表されました。
金融庁は「顧客本位の業務運営に関する原則」を定め平成29年3月に公表しましたが、それに対する販売会社の取り組み状況をまとめたものです。「顧客本位の業務運営に関する原則」とは、一言でいえば「お客様の信頼を得るような業務運営をしてくださいね」という事です。

さて、みなさんは「KPI」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
Key Performance Index の略称で、「顧客本位の業務運営の取り組み状況」を定量的(数字として)に示すための指標です。
今回、「顧客本位の業務運営の取り組み状況」の公表と同時に「販売会社における比較可能な共通KPIの傾向分析」も公表されています。

この資料を眺めてみると、「5割弱の顧客の運用損益がマイナス」(数値を公表した96社合算ベース)となっています。驚きました。約半数の方が資産運用の成果が出ていない事になります。どの期間を測定したかによって結果は変わりますが、それにしてもいかがなものでしょうか?
同じ資料に「投資信託のリターンとコストの関係」も掲載されています。みなさんのご想像のとおりコストとリターンは概ね反比例、つまり「コストが高いとリターンが低い、コストが低いとリターンが高い」という結果になっています。もちろん「コストが高くてもリターンも高いよ」という投資信託もある訳ですが、残念ながらそれは少数派です。

投資信託の販売会社は、「KPI」向上のための施策についてあれこれ頭を捻っています。しかし、問題をシンプルに考えれば良いのではないでしょうか? まさに顧客本位に沿って業務を運営すれば良いのであり、そのための答えは自ずと出てきます。販売手数料や信託報酬などのコストを分析すると同時に、安定的な運用成果が期待できるような資産配分をお客様に説明する事だと思います。

マネぷらは、明るい未来のために投資信託および保険を含めた総合的な資産運用に関する「アドバイスのプロ」の役割を担っていきたいと思います。