2019.11.07
先日のコラムでのお問い合わせが多かったので、引き続き台風被害と火災保険について詳細をお話しさせていただきます。
ここ数年、毎年毎年、記録的な自然災害が起きており、私たちの日常生活は益々不安になってきております。
その為のリスクマネジメントをしていかなければなりません。その対策として一番有効なのが火災保険であり、その効果が改めて注目されております。
一般家庭の火災保険というと住宅ローンを借りる際に銀行で加入してそれっきりになっている方や、そもそも加入をしていることすら忘れている方、火災保険だから火事の場合だけしか保険が出ないと勘違いをしている方等がいらっしゃいます。
しかし火災保険は火事の場合だけの保険ではないのです。
もちろん、昔から加入している場合に、例外的に火事だけの補償しか保険金が出ないものもありますが、今はほとんどの火災保険が今回のような台風の被害が対象となっております。
今一度お手元の保険証券をご確認いただけたらと思います。
さて、それではこの火災保険で今回の台風の被害、どのような場合に保険の対象になるか解説していきたいと思います。
ポイントは3つです。
①風災・水災が補償される
②免責(金額)条件は要注意
③支払い対象外が問題
まず第1のポイントは台風被害にあった場合火災保険で対象になる補償は、風災・水災になります。風災とは、その名のとおり台風で屋根が飛んでしまった、屋根が破損してしまった。あるいは何かが飛んできて破損してしまった。そしてその破損個所から雨が侵入してきた場合などが該当します。
また水災とは、さらに大規模で台風の大雨により川が氾濫してしまい家が流されてしまった。あるいは水が建物内に侵入してきた。そして土砂崩れにより建物が潰れてしまった場合などです。都市型水害の典型で内水氾濫なども水災に該当します。このような場合が補償の対象となりますので、加入している火災保険の補償の範囲を確認下さい。
第2のポイントは免責(金額)条件に要注意です。免責(金額)とは保険金支払いの際に、契約時に設定した免責(金額)分差引かれて保険金が支払われるということです。この免責の目的はさまざまですが、支払保険料の額を調整するために設定したり、免責(金額)以下の少額被害はそもそも請求不要等さまざまです。その中でも特に注意の必要なのは、先ほど説明した風災に20万円以上フランチャイズ払い(保険会社により呼び方はさまざま)というものです。どういうものかと言いますと被害が20万円以上の場合には保険金を支払いますが、それ未満の場合は0円です。というものです。この条件の火災保険は未だに多く存在しております。内容をわかっていれば問題はないのですが、知らなかった場合はかなり問題なので、改めて保険証券をご確認ください。
第3のポイントは保険金支払い対象外です。先ほどの水災に関わることですが、建物が浸水してしまっても、『床下浸水は保険対象外』ということです。
実際今回の台風被害の現場でも問題が発生しています。どういうことかと言いますと、水災の支払い条件規定には、保険の支払対象は『建物が床上浸水または地盤面から45cmを超える浸水を被った場合』と定義されているからです。
その他保険金額の30%以上の損害が生じた場合も対象ではありますが、条件的にはこちらの方がハードルが高いので先の条件の方を知っておく必要があります。
以上のように3つのポイントをご説明いたしましたが、万一被害に遭われた場合に確実に救いになるのが火災保険だと思いますが、その火災保険の内容を全く理解してなくて、いざ必要になった時に使えずに、聞いてなかったでは後の祭りになってしまいますので、今一度ポイントも含めて現在加入している契約内容を確認することをおすすめいたします。なお、加入の見直しをする際は、保険料水準だけではなく、補償内容を精査する必要があるでしょう。
最後に先の台風により被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
Copyright © monepla.com - All Rights Reserved