現在日本の金利状況は、預金金利・国債金利・住宅ローンの金利等過去最低水準で推移しています。住宅購入時の頭金については、多い方がいいと思いがちかもしれませんが、実はそうとは限りません。現在の低金利と住宅ローン減税を活用すれば「頭金は少なく、住宅ローンを多く」した方がお得になる場合があります。賢い頭金の決め方・ローンの組み方をご紹介いたします。
住宅ローンを組むと、年末ローン残高の1%が所得税から控除(還付)されます。ただし、控除の上限や要件があります。
《一般の住宅》
居住開始年 | 控除率 | 住宅借入金等の 年末残高限度額 |
控除期間 | 最大控除額 (10年間総額) |
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2014.4〜 2021.12 |
年末残高の1% | 4,000万円 | 10年間 | 400万 |
《長期優良住宅》
居住開始年 | 控除率 | 住宅借入金等の 年末残高限度額 |
控除期間 | 最大控除額 (10年間総額) |
---|---|---|---|---|
2014.4〜 2021.12 |
年末残高の1% | 5,000万円 | 10年間 | 500万 |
◎住宅ローン控除適用の主な要件
床面積 | 登記簿上50㎡以上 |
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自己居住用部分 | 床面積の2分の1以上が自己の居住の用に供されていること |
借入金 | 返済期間10年以上 |
所 得 | 適用年分の合計所得金額が3,000万円以内であること |
※平成30年1月1日現在税制
■家族構成:ご夫婦と子供1人の3人家族
■夫年収:800万円、税金:所得税45万円、住民税45万円
■物件価格:4,500万円+諸費用等
■住宅購入資金:頭金500万円+諸費用分
上記予算通りで購入した場合
■頭金:500万円 + 諸費用
■住宅ローン:4,000万円 変動金利0.625% 35年ローン
A:返済利息総額(繰上返済なし・金利変動なし):4,544,752円
C:住宅ローン控除額:3,424,600円
実質負担額(A-C)=1,120,152円
住宅ローン減税を活用した賢い頭金の割合とローンの組み方
■頭金:諸費用分のみ。10年後に約500万円を繰上返済する
■住宅ローン:4,500万円 変動金利0.625% 35年ローン
A:返済利息総額(繰上返済なし・金利変動なし):5,112,846円
B:10年後 約500万円繰上返済による利息軽減額:773,520円
C:住宅ローン控除額:3,769,100円
実質負担額(A-B-C)=570,226円
住宅ローン減税を活用した 賢い組み方 |
頭金あり | 頭金なし |
---|---|---|
物件価格 | 4,500万 | 4,500万 |
頭金 | 500万 | 0万 |
住宅ローン | 4,000万 | 4,500万 |
返済利息総額(A) | 4,544,752 | 5,112,846 |
10年後に500万を繰上返済による利息軽減額(B) | ― | 773,520 |
住宅ローン控除総額(C) | 3,424,600 | 3,769,100 |
実質負担額(A-B-C) | 1,120,152 | 570,226 |
経済効果 | 549,926 |
※所得税から控除しきれない部分は住民税より控除適用。
頭金500万円をはじめに入れる場合と10年後に繰上返済をする場合とでは、住宅ローン控除もうまく活用でき549,926円の差がでます。
また、10年後に繰上返済予定の500万円については、手元に資金が残りますので10年間金融商品に預けて増やす事ができます。万一の場合には団体信用生命保険に加入しているのでローンが免除になった状態で手元資金の500万円は残りますので保障面でもメリットがあります。
このシミュレーションでは、ローン金利は変わらない前提で計算していますが、今後金利が上昇した場合は結論が異なる場合があります。今後の金利上昇リスクの対策として「①金利が上がったら繰上返済をする」「②金利上昇時に評価が上がりやすい金融商品を保有する」等を検討しておく必要があります。 将来のリスクも理解したうえでその際の対策を事前に考えておけば、現在の低金利と減税制度をうまく活用した賢いローンの組み方も安心して実行できるのではないでしょうか。
今回のシミュレーションはあくまで一例となりますので、固定金利で組む場合やペアローンを使える場合等、お客様の家族構成やライフプラン、収支、資産状況等を総合的に勘案して最適な住宅資金計画をアドバイスいたします。
まずはお気軽にご相談下さい。
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